50代で起業する際にハマりがちな落とし穴

起業・フリーランス

起業して一国一城の主となると、したくない仕事は断ることが出来ますし、理不尽な要求からも解放されます。
今までやりたかったを実現できる。夢の実現のために生きていける等、夢は広がります。

しかし、事業を軌道に乗せ、利益を生み出さなければあっという間に資金は枯渇してしまいます。

中小企業庁の「中小企業白書」によると、2019年度の廃業率は3.4%。
起業して5年後まで存続している会社は約82%、10年後は約70%となっております。

出典: 中小企業庁「中小企業・小規模事業者の実態」

非常に厳しい現実ですが、事前に落とし穴を知っていることで倒産のリスクを下げることは可能です。
本記事では、起業した際の落とし穴とその回避方法についてご紹介していきます。

落とし穴1:経験や人脈を過信する

大企業で活躍してきた人ほどこの落とし穴に引っ掛かりやすい傾向にあります。
会社の看板、ブランド力というのは想像以上に大きな力を発揮します。

これまでの実績を自分の力だと勘違いしている人は、これまで通りにモノが売れる、仕事が取れると思ってしまいます。
現実はそんなに甘くはなく、商談のためのアポイントされなかなか取れないという現実を理解しておきましょう。

起業したばかりの会社は世の中では無名の存在です。
あなたが知らない会社の人から電話が掛かってきたときの対応を思い出してもらえれば容易に想像がつくと思います。

50代での起業には、今までの経験や人脈を財産として開業できるというメリットは確かにあります。
しかしあくまで「会社の看板」を借りたうえで仕事をしていたということを忘れないでください。

まだ会社員の身であるなら、起業する前に意識を変え、自分が売り物となるつもりで仕事を取るように心掛けてください。
その心掛けを持ち、お客様と良好な関係が築ければ、独立後にお客様となって頂けたり、見込み客を紹介してくれるかもしれません。

落とし穴2:会社員時代の金銭感覚を引きずる

会社員であれば風邪をひいて休んでしまっても、有給を取得すれば給料を下げられることはありません。
また、毎月決まった日になると一定の金額が給料として振り込まれるので、家賃や光熱費、携帯代といった固定費の心配もなかったことでしょう。

しかし、起業した後はこれまでの常識は通用しません。
風邪をひいて休んでしまうと、それが売上に直結してしまいます。
自分が休んでいる間に代わりに仕事をしてくれる人もカバーしてくれる人もいません。

また、毎月決まった日に決まった金額が入って言うこともありません。
特に起業した当初は、入ってくるお金より出ていくお金の方が多いのが一般的です。

会社員の時は経費を使っても清算できますし、業務上必要なことだからとあまり深く考える機会はなかったかもしれません。
しかし、起業して自身が経営者となった場合は、経費は利益に直結する重要なファクターです。
しかも従業員を雇っている場合は、経費を支払う立場にもなります。

事務所や店舗を借りたり、人を雇ったりする場合、事業計画をもとに場所や人数を決めているかと思いますが、計画通りに売上が上がらないことは当たり前で、計画通りになる方が稀なケースです。

そのため、事業が軌道に乗るまでは固定費は最小限に抑えるように心掛けましょう。
また、創業当初は机や椅子、パソコンといった事務用品を買い揃えることも多いと思いますが、売上に結びつかないのであれば、中古やレンタルで安く済ませるのも大切です。

手持ちの資金さえあれば、事業を継続することが出来ます。
現金はなるべく残し、キャッシュフローが黒字化するまでは節制を心掛けましょう。

落とし穴3:身内や親戚から安易にお金を借りる

「金融機関からの借金だけはしたくない」という声は非常に多く聞きます。
起業の話をしたときに応援してくれたし、困ったときは声をかけてくれと言っていたから頼ってみようという人がいるかもしれません。

しかし、身内からお金を借りるのはちょっと待ってください。
いくら応援してくれているといってもお金が絡むと話が違ってきます。
返済の目途が立っていて一時的に借りるとしても最終手段として考えるべきです。

「金融機関から借りた場合、失敗したら破産してしまう。」「身内から借りた方がリスクが少ない」と考えている人もいるかもしれませんが、身内であっても借金は借金です。
万が一、返済出来なかった場合は絶縁ということも考えられます。
さらに噂が広まってしまい、他の人の支援も受けられなくなってしまう可能性も出てきます。
幸運にもお金を貸してくれる人がいるならば、倒産や事故などでどうにもならなくなったときに最後に頼れる先として取っておいてください。

自己資金だけで起業する人も多くいますが、新たに事業を始める人向けに、「低金利」かつ「無担保・無保証」という破格の条件で融資を行ってくれる金融機関もあります。
事業が軌道に乗るまでの期間を考慮し、創業融資を受けることも視野に入れてみてください。

落とし穴4:安易にフランチャイズで起業する

起業ありきで起業してしまう人にありがちなのが、フランチャイズで起業することです。
フランチャイズならノウハウを教えてもらえるし何とかなると甘く考えていると痛い目に遭います。

昔からやりたかったことで夢や情熱を強く持っているのであればまだしも、なんとなく面白そうだ、儲かりそうだ等の甘い考えだと失敗する可能性大です。
これまでの経験や人脈を生かすことは難しいですし、立地により売上も大きく影響します。
自身で工夫が出来る部分も少なく、情熱もないのであればちょっとした困難にも立ち向かっていくことは難しいでしょう。
安く始められて、簡単にお金が稼げる手段は転がっていないということを肝に銘じましょう。

落とし穴5:色々な人からアドバイスを受ける

起業しようとすると、周りの人が色々アドバイスをしてくることがあります。
この際、絶対に止めてもらいたいことがあるんですが、起業したことのない人のアドバイスを聞くことは絶対に止めてください。
危険だからやめておけという意見やこうすればうまくいくという意見が大半だと思いますが、価値のない意見です。

起業したことのない人の意見は、その人の価値観や本などで聞きかじった意見でしかなく、経験を伴っていないため全く参考になりません。
心配してくれているという気持ちだけ受け取り、アドバイスは聞き流しましょう。

アドバイスを受けるならば、実際に起業している人や専門家の意見を聞くようにしましょう。
ただし、1つ落とし穴としては、多くの意見を真面目に一つ一つすべて実行しようと思わないことです。
あなたの事業を深く理解しており、経験も非常に豊かな人であればまだしも、大半の人はそうでないでしょう。
あくまで1つの意見として捉え、実行するか否かは自分自身で決めてください。

以上、起業する際の落とし穴をご紹介致しました。
何か1つでの参考になった、良い気付きが得られたのであれば幸いです。

特集記事

TOP